ADCからのお知らせ No.56 (2009/04/27)
/mfs0[1-4][a-v] 領域へのアクセス不具合に対する恒久対処
天文データセンター解析システムのユーザーの皆様
データ解析システムにおいて、/mfs0[1-4][a-v] 領域へのアクセス不具合が発
生し、暫定対処(2008/7/7) により発生を防止していました。
本不具合につきまして、原因が判明し、定期保守(2009/4/6) にて修正を適用
致しましたことをご報告致します。
【原因】
NFSv4 は NFS領域に対しファイルアクセスを行なう時、NFSサーバは NFS クラ
イアントに対して権限を与え、権限を求めかえすことができるようにNFS クライ
アントからコールバックアドレスを受け取ります。
NFSクライアントの障害により、コールバックアドレスが設定されず、NFSサー
バからNFSクライアントに対する権限返還要求に失敗し、今回の不具合が発生す
ることが判明致しました。
本不具合は Bug 264721 (NFS client isn't setting callback address properly)
として公開され、RHEL5.2(kernel-2.6.18-92.el5) により修正されています。
【対処】
定期保守(2009/4/6) に RHEL5.3(kernel-2.6.18-128.el5) を適用し、修正致
しました。
不具合は RHEL5.2(kernel-2.6.18-92.el5) にて修正されていますが、本カー
ネルは【備考】に示します通り、別の不具合が報告されています。この不具合は
データ解析システムでも発生する可能性が高いと判断されたため、両方の不具合
が修正されたRHEL5.3(kernel-2.6.18-128.el5) の提供を待って恒久対処を実施
致しました。
【経緯】
不具合発生から恒久対処までの経緯を示します。
2008/ 6/ 4 アクセス不具合発生・調査開始 (/mfs0[1-4][a-v]領域)
2008/ 7/ 7 暫定対処 (autofs による umount 抑止)
2008/10/21 原因判明 (コールバックアドレスに関連する不具合)
2009/ 4/ 6 恒久対処 (kernel-2.6.18-128.el5 適用)
【備考】
RHEL5.2(kernel-2.6.18-92.*) では、NFS クライアントから NFS サーバ上の
同じファイルに対し、短い間隔(1秒間隔)で読み込み要求を実施している時に
書き込み要求を行なうと、書き込み要求がいつまで経っても終了しないという不
具合が発生します。RHEL5.1 (kernel-2.6.18-53.*) では発生せず、
RHEL5.3(kernel-2.6.18-128.el5) にて修正されています。