ADCからのお知らせ No.196 (2011/08/24)
Mathematica の使用メモリ量の制限について
ADCからのお知らせ No.181 において、Mathematica (MathKernel)の
暴走による ana?? のメモリ枯渇問題についてご連絡しましたが、
その後の調査の進捗状況および今後の対応についてご説明いたします。
さきのアナウンス時点では /usr/local/bin/math (math 8.0) 使用時のみ
上記の問題が確認されたとご連絡しましたが、その後の調査で解析システム
に導入されている Mathematica の全てのバージョンで、同問題が発生する
ことが確認されました。具体的には以下の通りです。
[問題発生が確認されたバージョン]
/usr/local/bin/math
/usr/local/bin/math[6,7]
/usr/local/bin/mathematica
/usr/local/bin/mathematica[6,7]
また、発生条件の特定および根本解決についてですが、同問題について
ベンダーおよび開発元に問い合わせておりますが、どちらからも十分な
調査情報が提供されず、現状ではこれ以上の調査は難しい状況です。
そこで、天文データセンターとしましては、システムの安定運用を最優先
とするため、Mathematica の使用メモリ量について制限を設けることに
しました。
上記の各コマンド(/usr/local/bin/math 等) 内で実行されている
シェルスクリプトに "ulimit -v 16777216" を追加することにより、
Mathematica の使用メモリ量が「16GB」に制限されます。
この措置は「8月29日(月)13:00」からの実施を予定しています。また、
これに伴うシステムや MathLM (ライセンスマネージャー)の再起動は
ありません。
これにより、制限量 (16GB) を超えるメモリを使用する計算が実行された
場合は、以下のメッセージが出力され Mathematica (MathKernel)
が終了します。
No more memory available.
Mathematica Kernel has shut down.
Try quitting other applications and then retry.
※ベンダー/開発元いわく、メモリ不足の場合はこのメッセージが
出力されて終了するのが通常の動作だということです。
この設定を実施するにあたり、以下の点にご留意いただきますよう
ご協力をお願いします。
1. 使用メモリ量を制限することによって、今まで実行できていた
コードがメモリ不足で実行不可になる可能性があります。
これについては、ご不便をおかけしますが、コードを見直す等の
対応をお願いいたします。
2. 同一ホスト上で Mathematica (Math) を2つ実行した場合、
メモリ大量消費によってスローダウンが発生する可能性があります。
そのような状況を避けるために、Mathematica を使用する際は、
同一ホスト上で他の Mathematica 関連のプロセスが実行されて
いないか確認した上で使用してください。
ご質問ご要望等ありましたら、consult_[at]_adc.nao.ac.jp
(_[at]_ を @ に変換)までご連絡ください。
ユーザの皆様のご理解ご協力をお願いいたします。